最近、特別支援教育に興味があるけど、実際どうなんだろう?
実際に地域の中学校から特別支援学校に転勤した経験から色々アドバイスするね!
現在、個別最適な学びの実現や個性の多様化などの観点から特別支援教育への注目が集まっています。
教師として今後やっていくには避けては通れないのが特別支援だと思います。
私もそんな特別支援教育に興味を持ち、全くの未経験から特別支援学校へ転勤しました。
転勤してびっくり!
働き方が全く違う。
今日はそんな私の経験から、特別支援学校へ転勤したことで分かったことをご紹介したいと思います。
この記事の情報はあくまでも私の勤務校(知的)や同僚から聞いた話を元に書いています。
すべての特別支援学校の現状に当てはまるものではありません。
参考程度に読んでいただければ幸いです。
働き方の違い
まず私が驚いたのは、働き方の違いでした。
大きく3つに分けて説明します。
スクールバスでの登校
地域の中学校との大きな違いとして、生徒はスクールバスで登校します。
私の勤務校では9時に登校し15時に下校します。
なので出勤したらもう学校には生徒がいるという状況はありません。
ここが大きな違いでした。
朝のゆったり感が全く違う、、、。
私もすごく驚いたけど、勤務時間ギリギリに出勤しても生徒が登校するまで30分もあるんだ!
いつも7時30分ごろに出勤して、バタバタしながら用意していた私には衝撃でした。
休憩時間が確保されている
私が中学校で勤務していた時は、休憩時間という概念すらありませんでした。
前任校の休憩時間が何時から何時に設定されていたかさえ知りません。
現在は生徒の下校後に45分間の休憩が設定されています。
その時間は極力、会議が入らないようになっています。(入る時もあります)
ゆっくりコーヒーを飲みながら同僚とお話しすることもできるし、本を読むこともできるし、なんなら学校の外に出ても構いません。
だって休憩時間ですから。
今まで考えたこともありませんでしたが、この休憩時間がとてもいい時間なんです。
仕事量の関係上、45分すべてを休憩に充てることが難しい時もあります。
それでも20〜30分は休憩できることがほとんどです。
20分コーヒーを飲みながらぼーっとするだけでもかなりリラックスできて、休憩後の仕事に全力で向かうことができるよ!
時間外勤務に厳しい
中学校で勤務している時は、際限なく仕事が増えていきました。
しかし、現任校では仕事が増える時に「勤務時間内に終わることができるか」という話が必ず出ます。
個人の負担で賄われても、その人が転勤した後も継続できるように話し合いがなされます。
そのため簡単に仕事は増やせません。
本来なら当たり前にしたい感覚ですが、これの感覚がきちんとあるのは嬉しかったです。
しかし、自分がこんなことをしたい!と思っても簡単に実現はしません。
自分の企画力が試されたり、コンセンサスを得る大切さを身にしみて感じました。
人数の違い
続いて人数の違いについて書いていきます。
中学校の生徒数の平均は300〜400人程度で教員数の平均は30人前後ではないでしょうか。(あくまで私の感覚で、なんのエビデンスもありません)
これを元に特別支援学校での人数の違いについてみていきます。
生徒3〜5人に教員1人
私の勤務校では生徒3〜5人に対して教員が1人いる状態です。
1クラス生徒が6〜7人なら先生2人、1クラス9〜10人なら先生3人といった感じです。
今までは35人ほどを1人で見ていた私からすると衝撃でした。
当然これは自治体によって変わるとは思いますが、明らかに教員の数が違います。
そのため、今までよりも生徒のことを詳しく知ることができました。
教員は100人超え
これも学校によると思いますが、私の勤務校では小学部と中学部、高等部が同じ建物内にあります。
なので職員数が100人を超えます。
教員が多いと仕事が分散されますので、一人当たりの仕事量は減ります。
その代わり、何か新しいことを始める時多くのコンセンサスを得ないといけません。
かなり初動が遅くなります。
またそれだけ教員数が多いと人間関係も複雑です。
特別支援学校では複数担任制をとっていることがほとんどです。
ペアの先生との相性が悪いととてもしんどい思いをします。
この部分は本当に一長一短といったところでしょうか。
生徒に関する違い
最後は生徒に関する違いです。
この記事の前半では特別支援学校の働き方の良さを全面に押し出しましたが、当然大変なこともたくさんあります。
個別の配慮
特別支援学校ではアレルギーがある生徒やてんかん発作が起きる生徒など様々な観点から配慮が必要となる生徒が多数在籍しています。
一歩間違えれば、命の危険があるといったケースもあります。
そのため、一人ひとりの情報や配慮すべき点をしっかり把握する必要があります。
またこだわりがある生徒も多数いますので、それぞれ個々にあった柔軟な支援が必要になります。
学校行事で校外に出る時は細心の注意を払わないといけません。
勝手に飛び出して車に轢かれないか、迷子にならないかなど心配事は多岐にわたります。
コミュニケーションの難しさ
当然、すべての生徒ではないですがコミュニケーションがうまく取れない生徒が多いのも事実です。
こちらが意図していることが上手く理解できなかったり、誤解を与えてしまってパニックになってしまったり。
毎日、創意工夫を凝らしてなんとか生徒が理解できるように試行錯誤を繰り返しています。
転勤したての頃は、私の伝えたいことが中々伝わらず生徒に申し訳なく思い、自己嫌悪に陥ってしまいました。
まとめ
私は実際に特別支援学校に転勤して、良かったと胸を張って言えます。
時間的にゆとりを持てたことで、今まで以上に生徒のために時間を使えるようになったからです。
中学校で勤務していた時も全力で生徒と向き合っていましたが、どうしても時間的な制限で諦めることも多々ありました。
そんな歯痒い思いをせずに、私の持てる全てを生徒との時間に充てることができるようになりました。
当然、大変なことはたくさんあります。
時間的にゆとりがあるから、特別支援学校が楽だと思うのは全くの見当違いです。
いつも生徒が下校する頃にはへとへとになっています。
それでも私は毎日の勤務が楽しく、生徒と会えることが楽しいと心から思えます。
あの子は文字の説明が理解しやすいから説明書を作ろう!
あの子は文字より目で見た方がわかりやすいから説明動画を撮ろう!
そんなことを考えるのが楽しくて楽しくて。
そんなふうに生徒のため様々な観点で考えられる先生は特別支援学校に向いていると思います。
ぜひ、特別支援学校への転勤を視野に入れてみてはいかがでしょうか?
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